指原莉乃『逆転力』 国立大学の哲学科の授業で取り上げられる(総選挙分析ライター)
筆者の知り合いのご子息がある国立大学の哲学科に在籍しており、最近HKT48指原莉乃の『逆転力』が授業で取り上げられた、という情報を寄せてくれた。
筆者は指原の「逆転力」が実用的な話題が多かったような気がしたので、授業で「逆転力」のどのようなところが扱われたかを確認したところ以下のような論点とのことだった。
・「人間は孤独である、というテーマにおいて、指原莉乃がスキャンダルに対面した時のこと。人と人は繋がらなくては生きていけないが、人と繋がらず自己と対面することの大切さ。」
・指原の「人がやらないことをやる」という考え方を肯定的に評価。
「人がやらないことをやる」という論点については以前取り上げている(注)ので、スキャンダル時の指原の思考について、「逆転力」をもう一度読み返してみた。以下「逆転力」のなかの当該箇所の論旨。
(注) 指原莉乃「逆転力」が面白い1・・指原の戦略論 140811
指原莉乃「逆転力」が面白い2・・指原の戦略論 140819
指原はスキャンダルが起きたときに、最初は「AKBを応援しているたくさんのファンに申し訳ない」、「メンバーに迷惑をかけたくな」いとのことで秋元(AKB48G総合プロデューサーの秋元康)氏に辞めることを伝えた。秋元氏から「本気で芸能界にしがみつきたいと思う人しか、残らなくていいから」と言われ、「AKBを応援しているたくさんのファンの気持ち」よりも「私(指原)のファンの気持ち」になって自分がやろうとしている意味を考えてみた。(P72)
「記事が出ることで、ファンが私のことを心配する」、「そんななか私がいきなりAKB48卒業、芸能界を引退しますとなったら、これ以上悲しいことはない」、 「ファンの力によって総選挙で4位」になったのに「新曲もまだ発売していないし、4位になったポジションで私が歌う姿を見てもらっていない」、「私だったら、見たい」、「私だったら、辞めずに残っていてほしい」(P73)
次の日、秋元氏に「やっぱり私はAKB48で頑張りたいです」と伝えた。(P74)
当初はAKB一般のファンやメンバーに迷惑をかけたくないという思いから秋元氏に辞任を申し出た指原だが、秋元氏から指原の芸能界に対する思い入れ(覚悟のほど)を聞かれ、さらに、指原を応援してくれているファンの気持ちになって考えた時、辞めない方がよいという結論に達して、一度申し出た辞任を撤回している。
自分のその後の人生を大きく左右する場面などそう何度もあるものではない。指原は自分がスキャンダルにより、半ば強制的に決断をしなければならない場面に追い込まれた。その際、それまでの通例なら辞任という選択となるところを内省のうえ自分の将来の夢(本気で芸能界にしがみつきたい)と自分のファンの気持ちを真剣に考えてAKBを続けることにした。
大学の哲学科の授業でなぜ指原のこの部分が取り上げられたのかを考えてみた。(以下はあくまで筆者の独自解釈です。授業の内容とは関係ありません)
筆者は大学時代に哲学は選考していないが、幸いにも企業に入ってからの研修で哲学の入門書(「自分を知るための哲学入門」竹田青嗣著ちくま学芸文庫)を読む機会があり、その本の記述によれば哲学とは(1)ものごとを自分で考える技術であり、(2)困ったとき、苦しいときに役に立つ、(3)世界の何であるかを理解する方法ではなく自分が何であるかを了解する技術である、と書いてあった。(P8-9)
そして、ものごとを「自分で」考えるとは、習慣的な自分の考え方に逆らって考えることなのである。(P9)
指原のスキャンダル時の思考は、今紹介した「哲学思考」そのものになっており、それまでの習慣なら辞任となるところを、自分の夢とファンの気持ちを考えて、辞任するという通例の考え方に逆らって辞任を撤回している。それは指原が自分で考えたことであり、まさしく困って苦しい時に役立ち、指原自身が何であるかを了解している。
なるほど、こういうことで大学の哲学科の授業で取り上げられたのかもしれないと勝手に思った。(あくまで筆者流の解釈である)
指原の凄さがこの頃、だいぶ世の中の理解を得るようになってきたようだが、筆者も指原が「哲学思考」を身につけていることについてはまったく気が付いておらず、正鵠(せいこく)を射た大変貴重な情報と受け止めた次第である。
以上
「指原莉乃のすべての関連記事」
「AKB48グループメンバー記事一覧」
「AKB48選抜総選挙分析他分析記事一覧」
筆者の知り合いのご子息がある国立大学の哲学科に在籍しており、最近HKT48指原莉乃の『逆転力』が授業で取り上げられた、という情報を寄せてくれた。
筆者は指原の「逆転力」が実用的な話題が多かったような気がしたので、授業で「逆転力」のどのようなところが扱われたかを確認したところ以下のような論点とのことだった。
・「人間は孤独である、というテーマにおいて、指原莉乃がスキャンダルに対面した時のこと。人と人は繋がらなくては生きていけないが、人と繋がらず自己と対面することの大切さ。」
・指原の「人がやらないことをやる」という考え方を肯定的に評価。
「人がやらないことをやる」という論点については以前取り上げている(注)ので、スキャンダル時の指原の思考について、「逆転力」をもう一度読み返してみた。以下「逆転力」のなかの当該箇所の論旨。
(注) 指原莉乃「逆転力」が面白い1・・指原の戦略論 140811
指原莉乃「逆転力」が面白い2・・指原の戦略論 140819
指原はスキャンダルが起きたときに、最初は「AKBを応援しているたくさんのファンに申し訳ない」、「メンバーに迷惑をかけたくな」いとのことで秋元(AKB48G総合プロデューサーの秋元康)氏に辞めることを伝えた。秋元氏から「本気で芸能界にしがみつきたいと思う人しか、残らなくていいから」と言われ、「AKBを応援しているたくさんのファンの気持ち」よりも「私(指原)のファンの気持ち」になって自分がやろうとしている意味を考えてみた。(P72)
「記事が出ることで、ファンが私のことを心配する」、「そんななか私がいきなりAKB48卒業、芸能界を引退しますとなったら、これ以上悲しいことはない」、 「ファンの力によって総選挙で4位」になったのに「新曲もまだ発売していないし、4位になったポジションで私が歌う姿を見てもらっていない」、「私だったら、見たい」、「私だったら、辞めずに残っていてほしい」(P73)
次の日、秋元氏に「やっぱり私はAKB48で頑張りたいです」と伝えた。(P74)
当初はAKB一般のファンやメンバーに迷惑をかけたくないという思いから秋元氏に辞任を申し出た指原だが、秋元氏から指原の芸能界に対する思い入れ(覚悟のほど)を聞かれ、さらに、指原を応援してくれているファンの気持ちになって考えた時、辞めない方がよいという結論に達して、一度申し出た辞任を撤回している。
自分のその後の人生を大きく左右する場面などそう何度もあるものではない。指原は自分がスキャンダルにより、半ば強制的に決断をしなければならない場面に追い込まれた。その際、それまでの通例なら辞任という選択となるところを内省のうえ自分の将来の夢(本気で芸能界にしがみつきたい)と自分のファンの気持ちを真剣に考えてAKBを続けることにした。
大学の哲学科の授業でなぜ指原のこの部分が取り上げられたのかを考えてみた。(以下はあくまで筆者の独自解釈です。授業の内容とは関係ありません)
筆者は大学時代に哲学は選考していないが、幸いにも企業に入ってからの研修で哲学の入門書(「自分を知るための哲学入門」竹田青嗣著ちくま学芸文庫)を読む機会があり、その本の記述によれば哲学とは(1)ものごとを自分で考える技術であり、(2)困ったとき、苦しいときに役に立つ、(3)世界の何であるかを理解する方法ではなく自分が何であるかを了解する技術である、と書いてあった。(P8-9)
そして、ものごとを「自分で」考えるとは、習慣的な自分の考え方に逆らって考えることなのである。(P9)
指原のスキャンダル時の思考は、今紹介した「哲学思考」そのものになっており、それまでの習慣なら辞任となるところを、自分の夢とファンの気持ちを考えて、辞任するという通例の考え方に逆らって辞任を撤回している。それは指原が自分で考えたことであり、まさしく困って苦しい時に役立ち、指原自身が何であるかを了解している。
なるほど、こういうことで大学の哲学科の授業で取り上げられたのかもしれないと勝手に思った。(あくまで筆者流の解釈である)
指原の凄さがこの頃、だいぶ世の中の理解を得るようになってきたようだが、筆者も指原が「哲学思考」を身につけていることについてはまったく気が付いておらず、正鵠(せいこく)を射た大変貴重な情報と受け止めた次第である。
以上
「指原莉乃のすべての関連記事」
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