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Channel: AKB48 チームBのファンより
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ドラマ『伝説のお母さん』で前田敦子がはまり役。大島優子も。(ときめき研究家)

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NHKの深夜ドラマ『伝説のお母さん』が面白い。第2回まで見たところだが、全8回なのでまだまだ楽しめる。

魔王を退治に行くミッションを与えられたチームのメンバーである魔法使いのメグ(前田敦子)には生後8か月の娘がいる。保育園には空きがなく、夫は全くあてにならないダメ男なので、やむなく子連れで魔王退治の旅に出る。当たり前だが、子連れでの魔王退治は困難を極める。といった筋書きだ。

ロールプレイングゲームのような映像が挟み込まれ、このドラマ自体がゲームの中の話という体になっている。しかし、魔王退治を普通の会社の仕事に置き換えても充分当てはまる。一億総活躍、女性の活躍促進などともてはやしながら、受け入れる側のインフラや意識がまだ整っていない実態を鋭く批判している。
それを直接的に描いたのでは、よくある社会派ドラマで面白くない。ゲームの世界の話として描くことで、デフォルメされて、より多くの人に考えさせる仕掛けになっている。

メグの夫モブは、本当にダメ男だ。安請け負いするくせに家事は何もできない。すぐに投げ出してゲームに夢中。うんちのオムツ替えは「無理」と放棄する。そのくせ、メグの苦労を理解するどころか、能天気に心無い言葉を発したりする。保育所の職員が、確実に保育所に入れる方法として、「夫を殺してひとり親になる」ことを勧めるが、冗談ではなく死んでくれた方がマシという気もする。
それと対照的なのが、魔王退治のパーティーのリーダーであるマサムネだ。彼は理想的なイクメンで、妻と完全に役割分担して育児に参加している。彼の妻は厳しく、魔王退治という特別なミッションに出かけていても全く斟酌せず、5時に保育所に迎えに行かなかったことを詰問するのだ。「仕事も育児も完璧にこなす自分」に陶酔しつつも、徐々に疲弊しているようだ。

その他の登場人物も、それぞれ一癖あり、メグの事態を改善してくれる人は誰もいない。

前田敦子のメグははまり役だ。前田敦子自身が最近出産したばかりだ。現実世界でどのように仕事と育児を両立させているかは知らないが、ドラマのテーマやディテールへの理解度は深いだろう。
それでいて、ゲームのキャラクターのようにわかりやすく怒り、困惑し、慌て、悩み、笑う演技は、前田敦子は得意だ。微妙な表情は必要ない。

前田敦子の出演ドラマ・映画の感想はこちら
『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』
『苦役列車』
『クロユリ団地』
『もらとりあむタマ子』
『さよなら歌舞伎町』
『イニシエーションラブ』
『ど根性ガエル』
『毒島ゆり子のせきらら日記』
『旅の終わり、世界のはじまり』


大島優子は、NHKあさドラ『スカーレット』に出ている。ヒロイン戸田恵梨香の友人役だ。高校時代から演じはじめ、現在は50歳前後になっているはずだ。録画してまでは見ないので、見るのは土曜日か祭日。久しぶりに大島優子を見たが、すっかり関西のおばちゃん化していた。一瞬、濱田マリかと思ったほどだ。戸田恵梨香があまり老けていないので際立っていた。なかなか良い新境地を得たと思う。

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